本日のNewsで札幌における12月の降雪量が平年の4倍ということ報道がありました。
確かに、除雪に要した時間が半端なく多かったので、それくらいは行くだろうとは思っておりました。
そのおかげで、再び腰が痛み始めてしまいました….
なので、重い腰をあげて、除雪機を購入することにしました!
しかしながら、どこもかしこも売り切れで、未だに探している最中であります。すでに決心してから1週間….
もしかしたら今季は買えないかもしれません。
話題は変わりますが、先日のブログで夜間診療についての注意事項をアップしたところ、反響がいくつかありまして・・・・
別に、怒っているわけではないのです。文章をみると確かに怒っているように見えてしまいますが…
ちょっとだけ夜中に嫌な思いをしたのと、予め当院が伝えたい事を記載しておくことで、説明の手間が省けて迅速に対応ができると考えて記事をアップいたしました。
さて、ここからが本題です。
久しぶりの症例記事になります。
年末年始が近いことですし、この時期は異物誤食が心配になってしまう季節でもあります。
まずは、写真をごらん下さい。
胃の中に何かがあります。通常の腹部レントゲン写真では写ってきません。
白く楕円形のような異物が上の写真では胃の中央より少し上部に、下の写真では胃の右側(仰向けで撮影しているため)にあります。
実は、これ「消しゴム」なのです。
なぜ消しゴムが胃の中にあるのかというと、「消しゴムで遊んでいたところ、誤って飲み込んでしまった」との事でした。
体格に対して大きめの消しゴムなのですが、食道で詰まらずに胃の中にすっぽりと入ってしまいました。
この位の大きさだと食道に詰まって、気管を圧伏してしまい呼吸困難になることがあるのですが、不幸中の幸いなのか胃の中に無事に落ちていった状態です。
ただ、この消しゴムの大きさは、入るのは容易かったようですが、吐かせても吐けない大きさだったのです。
そこで内視鏡の出番になります。
人とは異なり、動物の場合は、全身麻酔下での処置になってしまいます。
麻酔というリスクはありますが、自然に出るのを待って腸で閉塞を起こして開腹しなければならない状態よりは、リスクが格段に下がります。内視鏡は開腹することがないため、本人の負担もかなり違います。
麻酔の準備などはありますが、内視鏡を入れてしまえば、作業はほんの数分です。
内視鏡を入れてから数分後に摘出した消しゴムの写真です。
直径が2cm弱の大きさの消しゴムでした。見た目はジャガイモにしか見えません。
おもちゃで遊んでいる最中に、そのおもちゃを込み込んでしまう事故は、珍しいことではなく、結構あります。
特に飼主様の身に覚えのない、または与えていない、どこからか入手した秘密のおもちゃ(異物)で遊んでいる時によくその事故は起きてしまいます。
それは飼い主様が気がついた時に、慌ててそれを奪おうとするためなのです。
本人達にとっては大切な秘密のおもちゃです。どうやら、そんなおもちゃを取られてはいけないと思うらしく、そのままゴクリッと飲み込んでしまうのです。
ですので、対策としてはそういう状態を発見した場合、別のおもちゃやおやつ等で気を引かせて、口から離す必要があります。大抵の場合は、それで解決できることが多いので、実践してみてください。
私は行動学の専門家ではありませんので、もっとよい方法があるよという事がありましたら、教えて下さい。
基本的には、飲み込めてしまうようなオモチャを与えない方が無難という事です。
ちなみに、おもちゃを壊してしまって、その破片を込み込んでしまったりするのは、もはや仕方がありません。
その際は、吐かせられそうな場合は吐かせますし、詰まる危険性がある場合は内視鏡で摘出いたします。