先月から患ってしまった風邪ですが、なかなか治りません。
喉の炎症はかなり改善されたのに聞き取りづらい声は改善しましたが、鼻水がずるずるとティッシュが手放せない毎日を送っております。もしかして花粉症?アレルギー?
また、体調不良の余波で出来てしまった口内炎もやっと治ってきました。もう食事をしても痛くありません。
さて、今回は犬の口腔内にできる腫瘍についてです。
人の小さな口内炎でさえこれだけ痛いのですから、口の中のトラブルが多くみられる犬や猫ちゃんも歯肉炎や口内炎、さらに口の中に腫瘍ができてしまってはやはり痛いと思います。その為に、食欲が落ちてしまう場合もありますし(食欲が旺盛なケースも結構ありますが・・・)、口腔内刺激による唾液の増加や潰瘍からの出血、感染による酷い口臭も出てしまうこともあります。
犬の口の中にできる腫瘍には良性と悪性の物があり、良性のものとして代表的なものに乳頭腫やエプリス等があります。また、悪性のものとしては悪性黒色腫(メラノーマ)や扁平上皮癌、線維肉腫等があります。腫瘍の種類や性状によっては、骨を削ったり顎を切除しなくていけない物もあります。
これらの口腔内腫瘍は、形状の違いによる見た目からなんとなく推測は可能ですが、確定診断を下すには切除して病理組織検査を行なわなければなりません。姿かたちは良性にみえても、実は悪性という場合もあります。
因みに、口の中は皮膚とは違い視野が非常に取りずらい場所ですので、発見が早く病変が小さければ周辺組織を温存しつつ切除することが可能なのですが、発見が遅くなりかなり大きくなってしまった場合の切除はかなり大変です。ですので、なるべく早く、それも出来る限り小さい内に切除等の対応ができることが理想的ではあります。
しかしながら、現実的には「口が閉じない」、「口臭や涎が急に酷くなった」、「口から血が出ている」等のある程度症状が進行した段階、つまり腫瘍が大きくなった段階で来院される場合が殆どです。このようなケースでは、日常的に歯磨きや口腔内チェックが難しい(または、出来ない)犬や猫で多くみられます。勿論、急速に大きくなる腫瘍も存在するため、定期的にはチェックをしているけど、気が付いたら大きくなっていたという事もあります。
口の中は無理にこじ開けようとしてもかなり嫌がりますので、なかなか見ること難しい場所ではあります。
ですが、小さい頃から日常的に口を開けさせたり、歯磨きをさせたりする習慣をつける事で口を開けたり触らせたりする行為に対して寛容になって、比較的楽に口の中をチェックできるようになります。そして、与薬が必要な際も与えるのが楽になります。
日頃から口の中を定期的にチェックする事は、病気の早期発見・早期治療につながりますので非常に有効な事だと考えています。ですので、日頃からの口腔内チェックをお勧めいたします。
外側は見れるけど内側までは難しい場合も多くみられるますが、その際は、本人が舌を出して口を開けている際などに見れる範囲内でもチェックを必要してみてください。