GW期間中、札幌はあまり天気が良くなく、雨に混じってみぞれまで降る寒いGWでした。
そして期間中はACフロンティアも慌ただしく、すっかりブログを更新するのを忘れておりました。忙しくても週に1回は更新する心構えでしたが、もろくも破れ去ってしまいました・・・。
今回は、球結膜下出血についてです。
球結膜とは、いわゆる白眼の部分にある結膜の事です。結膜は、まぶたにある眼瞼結膜と眼球にある眼球結膜と位置により名前があります。
結膜といっても実は広範囲にあるのでどこの場所なのかが分からないといけません。
今回の題名にもある球結膜下出血とは、白眼にある結膜下にておきた出血のことです。
球結膜は強膜(白眼)の上を被う粘膜であり、そこには大小の血管が多数存在しています。球結膜に存在する血管が破れて、結膜の下に出血したものが球結膜下出血で、白眼の部分が真っ赤に染まります。点状あるいは斑状の出血から、眼球結膜全体を被う広範囲の出血までと出血の程度は様々です。時に、出血量が多いと結膜下に血腫をつくることもあります。
このワンちゃんは両眼が赤いとの主訴にて来院されました。結膜炎と思いきや、白眼が真っ赤でしたので、他に異常も認められなかったため、球結膜下出血であると診断しました。
球結膜下出血では、痛みや掻痒感などの自覚症状はなく、飼主様が眼をみたときに気づくことが多いです。結膜の細かい血管が拡張する眼の充血とは別物というのが見た目で分かります。眼球内部の出血(前眼房や眼底出血)みたく視力低下を引き起こすことはありません。
原因としては、外傷性、急性結膜炎からの続発性、止血異常など様々です。
止血異常があると大変なので全身くまなく内出血斑がないか、血小板に異常がないか、血液凝固系に異常がないか等を調べる必要があります。
検査の結果、異常がなければ止血異常でなく、その他の要因ということになりますが、比較的原因が不明なことも多く、くしゃみや咳、興奮などでも球結膜下出血の誘因となることがあります。
球結膜下出血自体は、通常は1~2週間程で自然に吸収されて通常の白眼に戻ります。中には1カ月以上続くこともありますが、自然と出血は吸収されます。
自然と治ることが多いですが、結膜炎などがあるのであれば、抗生剤や消炎剤などの点眼等が必要となります。
また、再発を繰り返す場合は、他に原因がある可能性があるため精査が必要になります。