やっと春らしい気候になり、札幌の積雪量も0cmになったと先日のNewsで云っていました。
昨日、病院の花壇の冬囲いを取り除いていたら、その後にぎっくり腰になってしまい消炎鎮痛剤を服用しながら診察をする羽目になってしまいました。
ぎっくり腰は、一度なると癖になると云いますが、案の定、年に何回もなってしまうので大変です。コルセットをつけながらなるべく腰に負担をかけないように診察しております。しばらくは動きが鈍くなることご了承ください。
さて、今回は眼瞼(まぶた)の出来物についてです。
眼瞼部周辺にできる出来物として、2通りのものが考えられます。
1つは腫瘍、もう1つは炎症による腫脹または硬結です。
見た目上、腫瘍と炎症による腫脹(硬結)は形状が異なりますが、「眼にできものが出来た」という話を聞いて診察すると、概ねこの2つのパターンになります。夏前後になるとこれにマダニが加わります。
瞼(まぶた)にできる炎症には、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の2つがあります。
「麦粒腫」とは、眼瞼周囲にある皮脂を分泌する部分に細菌が感染して、急性の炎症を起こしたものです。にきびのような状態とでも云いましょうか、いわゆる「ものもらい」のことです。感染の程度により、瞼周辺が全体的に腫れる場合と局所的にイボのようにぽこっと腫れる場合とがあります。
麦粒腫にはマイボーム腺内にできる「内麦粒腫」と、睫毛などの被毛の毛包内にできる「外麦粒腫」とがあります。
「霰粒腫」とは、マイボーム腺という眼に脂性成分を分泌する部分が詰まって慢性的な炎症を起こしたものです。つまり、脂が詰まって固まり、腫れてしまった状態です。眼瞼結膜(粘膜)の部分に白い塊があるのが見た目で分かります。
両方とも瞼が腫れている状態には違いはありませんが、細菌感染が原因の「麦粒腫」とマイボーム腺が詰まる「霰粒腫」とでは治療方法が異なります。
麦粒腫の治療は、細菌感染が原因ですので抗生物質の投薬で比較的早くに改善します。
霰粒腫の場合は、マイボーム腺が詰まってしまうことで起きる病態なので、結膜を切開してチーズ様の脂を強制的に外に排出(または脂を包んでいる袋状のカプセルごと切除)した後に、感染予防と消炎剤で炎症反応を抑える治療になります。
つづく