先日、ブログでお知らせ致しました通り、この度、後任のトリマーさんが見つかりました。
求人を各方面に出してもなかなか見つからないので、かなりのプレッシャーでしたが…
ちょうど1週間前に見つかりまして、昨日から前任のトリマーさんとの引き継ぎ業務を行っております。
さて、今回は眼瞼裂傷のつづきです。
外傷により眼瞼部(まぶた)と第三眼瞼(瞬膜)にいくつもの裂傷を負ってしまったわんちゃんですが、手術にて無事に縫合することができました。下の写真は術後3日目の写真です。
案の定、術後の炎症反応が強く一見すると手術が失敗しているように思えてしまいます。
結膜炎によりムチンというタンパク質が過剰に分泌される影響で、眼脂(めやに)が酷く見えます。また縫合した糸にも眼脂等がこびりついてしまい術後のケアが大変な状況です。
術後2週間後に抜糸をして、眼瞼周辺を綺麗にしたあとの写真です。
残念ながら、瞬膜の一部が裂開(2mm程)してしまっています。
糸はしっかりとしておりましたが、損傷してしまった組織の周辺が萎縮してしまって癒合(くっつく)前に糸の張力(ひっぱる力)に負けて、組織が裂けてしまった感じでした。なるべく正常な組織同士で縫い合わせていたのですが….
ただ、幸いな事に裂けてした傷の長さが7mm位でしたので、その大半はしっかりとくっついてくれました。
眼瞼部に関しては傷跡に色素脱(本来の黒色から白色に変色)が起きておりますが、これは時間と共に回復してくれるので無事に傷が治って一安心でした。
術後1ヶ月後の外観写真です。瞼の裂傷は完治しており脱色していた色素も本来の色に戻りました。
ノッチ(オバマ大統領の芸でお馴染みのお笑い芸人ではありません。notch=切れ目、くぼみの意味)も思ったほど酷くなく、遠くから見た感じでは傷は全く目立ちません。ただ、第三眼瞼(瞬膜)の裂開部分だけは私個人的には非常に悔やまれる感じです。
写真では少々分かりづらいのですが、瞬膜は普段、内眼角(目頭)に隠れておりますので敢えてそこを見ようとしなければ見た目は全く分からないという点が不幸中の幸いでしょうか。
その後、手術のために剃毛した毛も生えそろって来た為、傷は目立つこともなく無事に回復してくれました。