今回は、犬のコクシジウム感染症についてです。
コクシジウム感染症とは、Isosporaというコクシジウム類に属する原虫が消化管内細胞に寄生することで下痢などの消化器症状を引き起こす感染症です。
幼犬や免疫機能の著しく低下した状態の犬に見られることが多く、コクシジウムに感染した犬の糞便中にある卵型のオーシストを経口摂取することで感染してしまいます。
目玉のような、ゆで卵を半分に割ったような特徴的な形をしています。
基本的にまだ免疫機能がしっかりとしていない幼犬の時に見られることが殆どです。子犬の場合は、水溶性の下痢が主症状ですが、進行してしまうと脱水症状や粘血便、栄養失調などに発展することもあります。
治療は、サルファ剤という薬を服用することで1週間程度で完治しますが、時にはなかなか治らないケースもあります。大抵の場合は、コクシジウムに汚染された環境がそのままになっていて、そこから再び感染してしまうことでなかなか治らないようにみえることが多いのですが、中には免疫力が弱いことで治りづらい場合もあります。その際は、2~3週間ほど治療が必要になることがあります。
感染症が見つかった場合、投薬しつつ、まずは環境を清潔に保つことが早期治療につながると思われます。糞便が幼犬に付着した場合は、綺麗に洗い流す必要もあります。
感染からオーシストが排泄されるまでには時間がかかることがあり、一度の便検査では異常が認められない場合がありますので、幼犬の場合は、複数回の便検査をお勧めします。
定期的な便検査をすることをお勧めします。
当院では、健康診断セットとして身体検査、尿検査、便検査、血液検査がセットになったプランも用意しています。通常検査を行うよりも15%程度割安になっています。