ブログをお知らせ以外で更新するのは久方ぶりです。
肝臓・胆嚢系の話は長くなってしまったので複数回に分割して投稿予定です。
今回は、新しく販売されたばかりの動物用としては最高峰の歯科ユニットを導入しましたので、そのご報告です。
3/2の大雪の日に導入された本ユニットは、実は北海道初上陸(人用と中身は同等品)なのです。
当院、北海道初上陸という医療機器が何気に多いです・・・
歯科としてはかなり高価格な医療機器ですが、ここ数年、通常の歯科機器では対応が難しい歯科処置が増えてしまい、高性能なものが要求されるようになった為、導入に至りました。これにより作業効率の上昇、麻酔時間の短縮が可能となります。
実は、昨年の秋頃に低価格な歯科ユニットが販売されたので、それを販売直後に導入したのですが、外国製品あるあるの不具合が出てしまい、導入間もないにも関わらず修理になってしまいました。国内修理工場で対応可能という事で購入した機器でした。結局、故障の原因が不明とのことで製造国にまで戻されてしまい1か月経過しても直らず、その間の代替機も不具合が多発していた為、最終的には返品という事になってしまいました。
その後、いくつかの歯科ユニットをデモで使用してみましたが、いわゆる人歯科領域における往診用ユニットタイプのものが多く、微妙にパワー不足だったり、コンプレッサーがうるさかったり、連続稼働時間に限りがあったり、本体のみでタービンは別売等、一長一短でした。
その為、すでに販売から十数年経過している実績のある動物用歯科ユニットを導入しようかと思いましたが、あと数か月で新型が出るという話を聞いていたので、それまで待って販売と同時に導入する運びとなりました。
このユニット、スケーラーのチップ(先端部分)がスプラソンチップ(前後と軸方向の2方向に振動する特性をもったチップ)を採用しており、歯のエナメル質やセメント質に不要な衝撃を与えることがないので重宝する一品です。
また、タービン(歯を削る道具)も2本ついている為、研磨と切削が別々に行えるので処置中にタービンをその都度、付け替えるという手間が減り、作業効率がぐーんと上がります。
それと歯科処置には水が使われるのですが、新型ならではの機能として38℃の温水機能を備えており、口腔内の冷却による体温の低下を防ぐことができます。
特に冬場は非常に重宝する機能です。他社の動物用歯科ユニットにはない機能です。
そして、据え置き型のユニットの特徴としては、バキューム(汚水の吸引回収)タンクが非常に大容量の為、1回の歯科処置での交換がほぼ不要なので、これまた作業効率が上がります。給水タンクも1〜1.3Lという大容量の為、処置中に水の補充がほぼ不必要な点も素晴らしいです。
欠点という欠点がないこの歯科ユニット、唯一の欠点は値段が高いということ・・・
ほんとに高かった・・・
本当はこの1/2以下で済んだはず・・・
でも、タービンなどの付属品すべて込みの価格だったので、満足しています。
旧型も10年以上壊れることがないという高性能・高耐久性な機器の為、価格以上の仕事をしてくれることを期待しております。
非常にひどい重度の歯周病ばかり来院されるので、抜歯以外のなるべく歯を温存できるような治療がしたいと切に願っております。
このまま歯科ばかりやっていると、そのうち、歯科専門になってしまいそうな気がしてなりません・・・